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病虫害



ビオラ・パンジーは病害虫に強く作りやすいものですが、被害の大きな病虫害もいくつかありますので、注意点を上げておきます。

病害

灰色カビ病Botrytis cinerea
成株になってからの、もっとも被害の大きな病害です。その名の通り、花弁や葉に灰色のカビを生じ、その周囲を枯死させます。他の多くの病気と違い、特定の宿主を持たず絶対寄生菌ではないために、多くの植物に被害を与えます。多くの薬剤に耐性を持ったものが出現していますから、薬剤に頼らずこまめに手入れすることで防ぎます。空気が乾燥した状況では殆ど発生しませんが、雨や曇天の続く時期には注意が必要です。主に枯葉や萎れた花弁などの死んだ組織に最初に発生しますから、これらを取り除くことが一番の予防となりますので、黄色く変色した葉や咲き終わった花茎は、なるべく早めに取り除くようにします。水分が無いと発生しないので、水やりにも気をつけましょう。

苗立枯病Rhizoctonia, Pythium ,Fusarium
黒根病Thielaviopsis basicola
発芽してから若い苗の期間の、致命的な病害です。薬剤で完全に防除するのは困難ですから、病原菌のない用土を使うことを心がけましょう。また、使い回しの育苗箱や鉢などは漂白剤などで殺菌してから使用します。そして、この時期の育苗箱などは地面に置かないように気をつけて下さい。発生を見つけたら、その周囲の苗を速やかに取り除き、出来るだけ早く残りの苗を新しい用土に植え替えるようにします。また優良な堆肥や腐葉土を使って有用菌を増やしておくことで、発生をかなり抑制できるようです。


以下は、それ程頻繁に見られるものではありません。症状が見られましたら、Web検索して適応する薬剤、対処方をお調べ下さい。

うどんこ病Sphaerotheca
1:ペンキを塗ったような濃い白色の小斑点が次第に拡大する
2:もやもやした白い小斑点が次第に拡大する
3:なんとなく全体がうっすら白くなり、次第に濃くなり小麦粉をまぶしたようになるなどの症状が葉や花首に発生する。葉の表面が覆われると光合成が阻害されたり、葉から栄養を吸収されるので生育不良になる。

炭そ病Colletotrichum
炭疽病は葉、茎、果実に発生する。葉では黄褐色の円形の病斑ができる。古くなると病斑の中央部は白くなり、穴があくことが多い。茎、果実ではへこんだ斑点をつくる。そして、病斑部に小黒点(分生胞子層)が多数でき湿度が高いと鮭肉食で粘質の胞子ができる。

そうか病Sphaceloma
葉柄や花柄を中心に白っぽい粒状の病斑が多数発生し、激発すると葉が変形する。

黒斑病Alternaria 褐斑病Cercospora
葉に発生し、2〜10oの円形で黒褐色の輪郭のはっきりした病斑ができる。病斑は同心円状の輪紋をつくり、周辺は油浸状となる。古い葉に発生が多く、ひどく発生すると株全体の生育が衰える。病斑が大きくなると、すす状のカビができる。

さび病Puccinia
初めは葉に色の薄い斑点ができ、やがて盛り上がって褐色になり、赤褐色の粉末が出る。

べと病Peronospora
降雨が続いた後に多く発生し,はじめは葉色がやや黄色みを帯びたようになる。ときに,葉は黄色病斑でまだらになることもある。病斑は心葉ではあまり見られず,中位〜下位葉に発生する。退色した病斑はやがて黄色くなり枯死する。多湿条件では,葉の裏側に白色のカビが生じる。

害虫


アブラムシ
何時でも発生します。薬剤で簡単に殺虫できますから、見つけ次第散布しましょう。粒剤を使うことで、長く防除できます。

ヨトウムシ
発生するとかなり被害の大きいものですが、強い薬剤でないとなかなか退治できないので、夜間に照明を点けて活動中のものを捕殺しましょう。

ナメクジ
もっぱら花弁や蕾を食害するので、ビオラにとっては特に被害がはなはだしいものです。これも主に夜間活動するので、照明下で見回ると簡単に見つけられます。

ハダニ
高温乾燥期に多く発生しますので、夏越しさせるには注意が必要です。殺ダニ剤を使いますが、完全に退治するためには葉の裏まで薬液がかかるようにすることが必要となります。粒剤で適用のあるものもありますから、アブラムシと同時に予防すると楽でしょう。

ツマグロヒョウモン
近年温暖化に伴い、北関東や北陸にまで分布を広げているヒョウモンチョウの一種。スミレ類を食草にするのでビオラにもよく産卵します。黒にオレンジのストライプ、トゲを多く生やした幼虫は非常に良く目立つので、怖がらずに捕殺しましょう。

他にも多くの昆虫が食害しますが、気をつけて観察していれば容易に見つけられますから、捕殺したり薬剤散布してください。